2002/8/5 茨城インターハイ
高平がインターハイ歴代2位の20秒97 その1
高平と相川の200 mへの取り組み方の違いとは?
高平が自信を持っていた“フィニッシュ”

 男子200 mは高平慎士(旭川大)がコーナーの出口でリード(それほど大きくはない)。100 m優勝の相川誠也(市船橋)と同3位の野田浩之(大社)が追い上げるが、高平が20秒97(±0)の今季日高校最高で逃げ切った。2位・相川と3位・野田が21秒01の同タイムで続いた。
 高平と相川では、200 mに対する取り組み方が対照的だった。「基本的に200 mということでやってきました。100 mは見ての通り(5位)です。勝てるとしたら200 mだと思っていました」と言う高平に対し、相川は「200 mの準備はしていません。ジュニア選手権が終わって、すごく軽く、23秒台で2〜3本やっただけです」と言う状況。この種目に対する“思い入れ”の違いが結果となって表れたのかもしれない。
「相川と野田は4×100 mRを3本走っていますから、その分、きつくなっていると思います。向こうは100 mもちゃんと走っていますから。こう言うと僕が100 mをちゃんと走っていなかったみたいに聞こえてしまいますが、狙どころが違っていたということです」

 100 mで5位と敗れた高平だが、前半から逃げることを考えていた。
「2人は後半に絶対来ると思っていましたから、前半でリードをもらっちゃおうと。作戦ってわけじゃありませんが、上手くもっていけました」
 決勝が6レーンだったことも幸いしたという。
「内側だったらたぶん、勝てていなかったでしょう。2・3・4レーンだったらいつも、走りがブレてしまうんです」
 前半は上手く走れた高平だが、後半は追い込まれ、「負けたくないと思ったら、硬くなりました」と反省する。
「落ちついていれば、詰められなかったと思います。でも、残り10mになって“勝った”と思いました。フィニッシュには自信がありましたから。今日もフィニッシュしなかったら20秒99か21秒00だったと思います。練習の流しのときにみんなでフィニッシュして遊んでいますが、特にその練習をやっているというわけではありません」
 フィニッシュの巧拙で0.02秒も変わるかな、と疑問を感じないわけでもないが、0.011秒の違いは、記録上は0.02秒となることもあるから、あり得ない話ではない。それに高平には、昨年の国体少年A男子100 mで“実績”があった。上手く倒れ込んで同タイムというだけでなく、同着の3位となっているのだ。
 20秒97は高校歴代8位だが、インターハイではこれまで20秒台が出たのは1回だけ。大会記録の20秒90を高橋和裕(添上)が94年に出したが、それっきり。つまり、インターハイ歴代2番目という好記録でもあるが、高平は200 mを専門にすると決めているわけではないようだ。中学時代は110 mMHの選手で、全日中も日程が重なった100 mを棄権して110 mMHに絞っている。今秋の国体も、400 mに力を入れる予定だ。
「色々な種目をやることで、どういうことを取り入れたら何がよくなるか、試すことができる。そうやって、楽しく陸上をやれればいいと思っています」
※「楽しく陸上をやる」という高平の考え方は、別記事で紹介予定。

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