2001/7/14早朝
日本学生種目別選手権展望<女子編>

■短距離■
二瓶の2冠有力
400 mには世界選手権代表コンビが登場

 100 m・200 mは二瓶秀子(福島大M2)が2種目制覇を達成しそう。世界選手権への4×100 mR出場はならなかったが、そのメンバー候補の力は、現在の学生選手とは明らかに差がある。高野香織(早大3)、竹内千草(中京女大2)、竹村友美(大体大4)、瀬戸口渚(福岡大4)と関東、東海、関西、九州地区のそれぞれ2冠獲得者が、100 mでは2位候補。200 mには高野が出場せず、関東2位の湯野真由美(筑波大2)、同3位の林由佳(中大1)が2位候補に加わる。
 400 mは世界選手権代表で日本選手権2位、南部記念では柿沼和恵(ミズノ)に肉薄した吉田真希子(福島大出)が優勝候補。だが、国際レベルを個人で目指すとなると、今季日本新を出している400 mHに絞る可能性もある。吉田が欠場すると、吉田とともに世界選手権4×400 mR代表の日色さおり(東学大3)が有力となる。
 日本選手権で6、7位と好走した中川弥夏(龍谷大3)と山本知代(立命大4)も、世界選手権代表勢に一泡吹かせる可能性はある。佐々木麗奈(中京大4)が、800 mにはエントリーせず、400 mに絞って出場予定。
■中・長距離■
800 mの西村にユニバー決定の快走を期待
5000mは藤永、赤羽、加納、山中ら好選手が目白押し

 800 mは今季、2分02秒23の日本新をマークしている西村美樹(東学大1)が優勝候補筆頭。国際大会で好タイムを出している選手だけに、ユニバーシアードで力を試してほしい選手。佐々木麗奈はエントリーしていないが、今季2分05秒38まで記録を伸ばしてきた藤原夕規子(奈良産大出)も西村に食い下がることができれば、2人双方とも好記録につながるだろう。
 1500mは関東インカレ優勝者の斎藤由貴(玉川大3)が、記録的にも唯一4分20秒を切っている選手。今回の記録次第では、ユニバーへの道が開かれる種目である。
 5000mは、世界選手権代表を逃した藤永佳子(筑波大2)が、気持ちを切り換えてユニバー金メダルを目標にできれば、独走優勝する可能性が高い。高校時代に藤永に競り勝っていた3000m高校記録保持者の阪田直子(立命大1)が、大学生と再び藤永と同じ土俵に立った。関西インカレは1500mで2位。同じ1年生の越智純子(仏教大1)に敗れるなど、好調とは言えないが、1カ月半あれば体調を上向かせることは可能だ。
 加納由理(立命大出)、赤羽有紀子(城西大4)、山中美和子(筑波大出)といったユニバーシアード経験組も実績十分。1500m優勝候補の斎藤由貴(玉川大3)や、平山めぐみ(城西大2)、加藤あすか(名城大4)、佐藤香里(京産大3)、檜山久美子(中大出)らの15分台ランナーたちにもチャンスはある。
 長距離は5000mと1万mで、4人選手を出したいくらいの層の厚さだ。だが、陸上競技全体のことを考えると……。だから、派遣枠などない方がいいのだが。
■ハードル■
日本新&学生新の可能性大――両種目で予想される福島大勢の席巻
400 mHの茂木の走りに注目

 100 mHは13秒38の学生記録を昨年出した茂木智子(福島大出)と、今季学生タイを出した池田久美子(福島大3)の、先輩後輩対決になる。日本選手権は向かい風0.7mという条件ながら、池田が13秒38、茂木が13秒39と快走した。池田は走幅跳もあるのでユニバー代表入りが濃厚。茂木も記録次第では、代表になれるかもしれない。
 川上小百合(筑波大4)、杉浦絵里(筑波大M2)の筑波大コンビが3、4位候補。
 400 mHは今季57秒33の日本新を出している吉田真希子(福島大出)が、再度の日本新(できれば56秒台)を出して、ユニバー代表入りにだめ押しをしたいところ。2位争いは混戦だが、100 mH学生記録保持者の、茂木がエントリーしてきた。桑村みゆき(関西外大4)、久保倉里美(福島大1)らとの争いになるのか、先輩の吉田を脅かす走りを見せるのか。
■跳躍■
走高跳の岩切、走幅跳の池田らユニバー候補が登場

 走高跳は岩切麻衣湖(中京女大出)が今季1m86をマーク。順位的にも今井美希(ミズノ)&太田陽子(ミキハウス)の2強に次ぐ位置を、常にキープしている。国際経験を積ませたい選手の1人だ。関西インカレ優勝の土居千草(大体大3)、同2位の武田頌子(大教大1)が2位候補。関東インカレ優勝の藤沢潔香(筑波大1)がエントリーしていない。
 棒高跳は昨年の日本選手権優勝者の江口 茜(新潟大出)と、4m00の学生記録保持者・中野真実(東学大出)の争い。関東インカレ優勝の森永麻里子(早大2)が2強に迫れるか。
 走幅跳は池田久美子(福島大3)の記録が注目される。山本絵里(横浜国大4)も今季好調で6m36と自己新を出している。馬場貴子(福岡大2)の復調ぶりも注目される。
■投てき■
注目は砲丸投の記録とハンマー投の対決
 砲丸投の記録とハンマー投の対決が注目されている。
 砲丸投は森千夏(国士大3)が日本選手権で16m84と日本記録を大幅に更新。練習では17mの距離も出していると言う。南部記念で14m台に終わったが、途中で棄権したのは、この大会に向けて悪いイメージを残さないためだったのだろう(未確認だが)。先輩の市岡寿実(国士大4)も16m34と、日本選手権で自己新を出している。この種目も、国内の盛り上がりを国際舞台にもつなげたい種目だ。
 ハンマー投は日本選手権で62m13と、日本新&世界選手権B標準突破を果たした綾真澄(中京大4)が、順当に勝てばユニバー代表入り濃厚。今春、大学院に入学した室伏由佳(中京大M1)も、59m64まで記録を伸ばしているので、勝敗は予断を許さない。室伏が記録を出したのが4月初旬で、その後の春季サーキットや日本選手権などでは、綾が差をつけているが、室伏も立て直してきているかもしれない。かつてはジュニア新、学生新を連発し、綾をリードしていた金子泰子(富山大4)のリベンジにも期待したい。
 円盤投は室伏が日本記録保持者の貫禄を見せるだろう。
 やり投は3月に55m38の学生新をマークしている小正和代(大体大4)が優勝候補。関西インカレでも54m66で圧勝した。関東優勝の茂呂綾子(国士大4)がエントリーしていないため、阿部晃子(日体大4)、能美カンナ(国士大2)らが2位候補。