400m   エントリーリスト
優勝候補筆頭は小坂田
山村の回復具合が代表争いに大きく影響
邑木をはじめ学生陣に勢い


 山村貴彦(日大)が故障で関東インカレの4×400 mR、さらには東アジア大会を欠場した。山村の回復次第で上位の順位が変動しそうである。
 だが、山村が回復したとしても、今季の調子を見ると優勝候補筆頭は小坂田淳(大阪ガス)である。水戸国際で45秒72、東アジア大会では自己2番目の45秒47をマークした。経験も十分積んできていることから、肝心の日本選手権を“外す”ことはないと思われる。
 2番手候補は関東インカレでついに45秒台(45秒88)に突入した邑木隆二(法大)だが、2月の日中対抗室内から、春季サーキット、関東インカレ、東アジア大会と、アクセルを踏みっぱなしにしてきた。邑木にとってはこの競技レベルでこれだけの期間を戦ってきたのは初めての経験だろう。その疲れが出ると心配だ。地力がアップしていれば問題ないわけだが…。苅部俊二&稲垣誠司という選手経験豊富(ともに45秒台ランナーだ)なコーチが付いているので大丈夫だろう。逆に、邑木はまだまだ力を出し切っていなくて、日本選手権で一気に45秒台前半に入ってくる可能性もあるのだ。
 4月から法大専任講師になった苅部も、エントリーしている。彼が出場できる状態なら、46秒前後では走ってくるだろう。苅部、小坂田、山村とともにシドニー五輪代表だった田端健児(ミズノ)も、優勝こそないものの相変わらず安定した走りを見せている。田端が上位に来るのは不思議でもなんでもないので、3年ぶりのタイトルを取れるかどうかに注目したい。
 邑木の45秒88を筆頭に関東インカレで堀籠佳宏(日体大)が46秒15、田中貴仁(順大)が46秒17、3月のオーストラリア遠征で佐藤光治(仙台大)が46秒32と、学生陣が好タイムを出している。佐藤は4月には故障の影響で走れていなかったが、東アジア大会の4×400 mRの走り(1走で46秒3)を見る限り、問題なさそうだ。シドニー五輪代表カルテットがそのまま世界選手権代表、ということにはなりそうにない勢いを、彼らから感じる。
 松延修(湘南マジックウェイブ)、小林稔(富士通)といった“渋め”の選手も、注目しておく必要がある。