2019/7/24
創部4年目、マラソンで結果を出し始めたGMOアスリーツが実業団駅伝参戦
「会社のポリシーはNo.1(ナンバーワン)。初出場、初優勝を目指します」(花田監督)



 2016年に創部したGMOアスリーツが、実業団駅伝に参加することを決定。24日に記者会見を行った。
 花田勝彦監督は駅伝に参戦する理由を次のように語った。

「2016年に創部し、会社がNo.1をポリシーとしていますので、チームもNo.1を目指そうとスタートしました。創部当初は選手も6名で、駅伝に関しては動きませんでした。世界を目指すに当たって個人を伸ばさないことには戦えません。マラソンを中心に取り組んで、初年度に橋本(崚)が防府マラソンで優勝してNo.1をやってくれました。
 一昨年からMGCシリーズが始まり、山岸(宏貴)が昨年の福岡、橋本(崚)が今年の別大、一色(恭志)がハンブルクでMGCの出場権を得て、9月開幕の世界陸上に山岸が選出されました。マラソンでは一定の成果を出すことができ、思っていた強化が進んできています。
 今年になって森田(歩希)、林(奎介)、近藤(秀一)と3人が加わり、チームに厚みも出てきました。世界を知るために3月には私がケニアに行き、そこでビクターと出会ってウチのチームに参加することも決まりました。(駅伝も)戦える態勢が整ってきて内外から、会社の外からも『そろそろ駅伝もどうですか』という声をいただき始めました。
 私としてはもう少し先かな、という気持ちもありましたが、会社にスピリット・ベンチャー宣言というものがあり、そこに個人以上にチームオペレーションとして一体になって取り組むことで、力が数十倍になると書かれています。私たちもそういう考えでやってきました。であるなら、駅伝に挑戦していいのでは、と意見がまとまり参戦を決めました。
 ニューイヤー駅伝も高いレベルで行われていますが、やるからにはチームのポリシーであるNo.1を目指して、初出場初優勝、高い目標ではありますがそこを目指して、しっかり取り組んでいきます。
 この先MGC、世界陸上と個人の試合もありますが、そのなかでも11月の東日本予選、そしてニューイヤー駅伝という形になります。No.1にはまだまだ到達していない部分があります。個人でも成長するところと並行して、チームとして高い目標を目指しながら半年間、チーム一丸となってしっかり取り組みます」

 以下は、記者たちとのやりとりのなかから抜粋した一問一答。

Q.個人強化が上手く進んでいる中で葛藤はなかったか? 駅伝をどうマラソンやトラックに結びつけるのか?
花田監督 エスビー食品で瀬古さん(花田監督が現役時代は瀬古利彦監督)から教わったことは、駅伝は個人の集合体ということ。個人がつながって駅伝がある。チーム発足時は人数が少ないこともあって両立は難しいと考えましたが、両立できないと本当の意味で世界では戦えない。私が現役だったときのエスビー食品は駅伝で勝つことができませんでした。私も代表にはなれても、世界には届きませんでした。瀬古さんの現役時代のエスビー食品は、個人でも世界で戦う選手が何人もいて、駅伝も初出場から4連覇しました。私たちも世界を目指すなら、そこを目指すべきなんです。社内の期待もあることですが、これを機に選手たちも個人のレベルを上げ、チームのレベルを上げて、高い意識で取り組んでほしい。

Q.強いチームになるために、どう取り組むべきだと?
花田監督 個人が強くならないと、駅伝で勝ってもその後が続きません。相乗効果をしっかりと出せるチームを目指しています。駅伝で区間賞を取る(など良い走りをした選手が)MGCでも有力選手となっていて、本当の意味での強化につながっています。瀬古さんの時代は個人も強く、チームも強かった。原点回帰をしたいと思います。

Q.駅伝をどう戦うか、構想は?
花田監督 チームとして若く、個人として3年間見てきた段階です。駅伝でグッと行く感じはまだ持てていません。駅伝までは個人の力を伸ばして、駅伝の前に個人の力をグッと集結させたい。先ほど選手たちが希望の区間とやりたい走りを話してくれましたが、彼らが言ってくれた走りをしてくれたら(優勝も)期待できます。ぜひ、有言実行してほしい。

Q.参戦がちょっと早い、という気持ちもあった?
花田監督 もう少し時間が必要かもしれませんが、MGC、世界陸上と選手が出場する今のタイミングが良い、という判断です。やるからにはNo.1を目指していきます。インターネットの会社で、つねに時代を先取りしていくのがGMOです。高い目標を掲げることで選手の成長を加速させたい。

Q.MGCのファイナルチャレンジに出場するケースもあると思うが、日程的に大丈夫か。
花田監督 ファイナルチャレンジに挑戦するとしたら、おそらく来年3月の東京、びわ湖になります。ニューイヤー駅伝の開催時期は悪くありません。モデルとしたいのはMHPSです。そこまで戦力的には高くないと思うのですが、1人が頑張ることが起爆剤になって、チーム全体が強くなっている。ウチも優勝争いしたら面白くなる。


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