2008/1/2 箱根駅伝往路
モグス、1時間06分23秒の区間新 2区の1時間8分未満4人は過去最多
2区&5区 区間1位−10位タイム差の変化からわかることとは?
今年の2区は上位のレベルが圧倒的に高かった。モグスの区間新を筆頭に、区間4位の伊達秀晃(東海大)までが1時間8分未満をマーク。表1からわかるように、同一年では過去2人が最多だったのだ。
表1 2区の1時間8分未満全パフォーマンス
回 氏名 大学 学年 区間タイム 59 大塚 正美 日体大 4 1:07:34 70 S・マヤカ 山梨学大 2 1:07:34 71 渡辺 康幸 早大 3 1:06:48 S・マヤカ 山梨学大 3 1:07:20 72 渡辺 康幸 早大 4 1:06:54 74 梅木 蔵雄 早大 4 1:07:48 75 三代 直樹 順大 4 1:06:46 77 J・カーニー 平成国際大 3 1:07:43 79 藤原 正和 中大 4 1:07:31 松下 龍治 駒大 4 1:07:58 81 O・モカンバ 山梨学大 4 1:07:47 82 M・モグス 山梨学大 1 1:07:29 83 竹澤 健介 早大 2 1:07:46 伊達 秀晃 東海大 3 1:07:59 84 M・モグス 山梨学大 3 1:06:23 G・ダニエル 日大 2 1:07:27 木原真佐人 中央学大 3 1:07:42 伊達 秀晃 東海大 4 1:07:50
1時間10分未満の数は11人で史上2番目の多さ。ではあるが、
79回:10人
80回:6人
81回:10人
82回:11人
83回:13人
と推移してきているので、今回が特別に多いというわけではない。
ただ、2区の傾向として、トップの記録はそれほど伸びているわけではないが、区間10位近辺の記録は上がっている印象があった。
そこで、2区の区間1位と10のタイム差を調べてみた(表2)。以前は3〜4分の差が普通だったが、近年は1〜2分の差しかつかなくなっていることがわかる。(今回こそ区間新が出て大きくなっているいるが)。
表2 2区の区間賞選手と区間1・10位タイム差
回 氏名 大学 学年 区間タイム 10位タイム 1・10位タイム差 59 大塚 正美 日体大 4 1:07:34 60 米重 修一 大東大 4 1:08:34 61 渋谷 俊浩 筑波大 4 1:08:55 63 只隈 伸也 大東大 3 1:08:38 1:11:59 03:21 64 楜沢 俊明 中大 4 1:09:57 1:13:18 03:21 65 J・オツオリ 山梨学大 1 1:08:23 1:12:31 04:08 66 J・オツオリ 山梨学大 2 1:08:18 1:12:32 04:14 67 J・オツオリ 山梨学大 3 1:08:40 1:12:05 03:25 68 本川 一美 順大 2 1:08:07 1:12:23 04:16 69 S・マヤカ 山梨学大 1 1:08:26 1:11:42 03:16 70 S・マヤカ 山梨学大 2 1:07:34 1:11:05 03:31 71 渡辺 康幸 早大 3 1:06:48 1:11:48 05:00 72 渡辺 康幸 早大 4 1:06:54 1:11:06 04:12 73 中村 祐二 山梨学大 4 1:11:00 1:14:52 03:52 74 梅木 蔵雄 早大 4 1:07:48 1:11:56 04:08 75 三代 直樹 順大 4 1:06:46 1:11:17 04:31 76 坪田 智夫 法大 4 1:08:16 1:10:43 02:27 77 J・カーニー 平成国際大 3 1:07:43 1:11:20 02:45 78 原田 正彦 早大 4 1:08:35 1:10:06 01:31 O・モカンバ 山梨学大 1 1:08:35 79 藤原 正和 中大 4 1:07:31 1:09:44 02:13 80 三行 幸一 東洋大 4 1:08:45 1:10:10 01:25 81 O・モカンバ 山梨学大 4 1:07:47 1:09:58 02:11 82 M・モグス 山梨学大 1 1:07:29 1:09:50 02:21 83 竹澤 健介 早大 2 1:07:46 1:09:26 01:40 84 M・モグス 山梨学大 3 1:06:23 1:09:41 03:18
それに対して、5区は82回大会(2006年)から距離が伸びたこともあり、タイム差が大きくなっているのではないか。そう思って調べてみたのが表3である。しかし、3回目と実施回数がまだ少ないこともあってか、距離が伸びたことでタイム差が大きくなっているとは言えなかった。
表3 5区の区間賞選手と区間1・10位のタイム差81回大会までは20.9km。82回大会以降は23.4km
回 氏名 大学 学年 区間タイム 10位タイム タイム差 63 平山 征志 日体大 3 1:14:00 1:17:10 03:10 64 平山 征志 日体大 4 1:13:38 1:17:31 03:53 65 島津 秀一 日体大 4 1:12:40 1:18:17 05:37 66 奈良 修 大東大 1 1:12:47 1:16:41 03:54 67 北原 慎也 駒大 4 1:13:35 1:17:29 03:54 68 奈良 修 大東大 3 1:11:13 1:15:49 04:36 69 小田 典彦 神奈川大 4 1:13:32 1:16:36 03:04 70 下山 一彦 山梨学大 4 1:13:08 1:15:49 02:41 71 近藤 重勝 神奈川大 2 1:13:21 1:15:42 02:21 72 小林 雅幸 早大 3 1:10:27 1:14:56 04:29 73 近藤 重勝 神奈川大 4 1:13:31 1:18:41 05:10 74 横田 一仁 山梨学大 3 1:11:25 1:15:59 04:34 75 柴田 真一 東海大 1 1:12:35 1:16:21 03:46 76 柴田 真一 東海大 2 1:11:36 1:14:57 03:21 藤原 正和 中大 1 1:11:36 1:14:57 03:21 77 杉山 祐太 拓大 3 1:13:49 1:17:57 04:08 78 野口 英盛 順大 4 1:12:32 1:18:05 05:33 79 中井 祥太 東海大 1 1:11:29 1:14:19 02:50 80 鐘ヶ江幸治 筑波大・日本学連 4 1:12:21 1:15:26 03:05 81 今井 正人 順大 2 1:09:12 1:14:53 05:41 82 今井 正人 順大 3 1:18:30 1:22:19 03:49 83 今井 正人 順大 4 1:18:05 1:22:17 04:12 84 駒野 亮太 早大 4 1:18:12 1:22:41 04:29
ただ、タイム差はずっと3〜5分台で、以前と比べて特に縮まっているわけではない。2区のタイム差が小さくなっていることを考えれば、相対的に5区の果たす役割が大きくなっているのは確かだろう。
言うまでもなく、早い段階で前に位置するのは“流れを作る”という意味で駅伝の鉄則に近い。タイム差だけで単純に、どちらの区間が重要と断定できるものではないのだが。
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