2005/12/9
箱根駅伝チームエントリー
5強の現状とチーム指揮官たちの意欲


 12月9日に箱根駅伝チームエントリーが行われ、各大学16人が選手として登録された。15時から記者会見、16時30分からティーパーティー、18時から5大学指導者によるトークバトルと進んだ。
 そのなかで各チームの監督が明かした状況をいくつか紹介したい。


●駒大
 出雲、全日本といい結果が出なかったが、その後、「選手たちの状態が、ようやく良くなってきた」(大八木監督)という。
「2年前の状況と似ている。あのときも全日本でアンカーの田中(宏樹・現中国電力)が順位を落とした。ちょっとした体調の問題や、私のミスもあった。そこから箱根に向けて立て直した。今回も、どうしていかないといけないか(理解して)、選手たちはいい感じでやっている」
 5区の距離延長に対しても、「上りに実績のある選手でいく作戦もあるし、新人が強ければ新人で行く」可能性もあるとのこと。

●日体大
 別府監督自ら、出雲と全日本の失敗は区間配置で自身がミスしたと、反省している。
「他の大学を意識しすぎると、足元を見失う。敵は自分自身、そこだけです」
 2位だった前回のように、確実な、手堅い駅伝をしていくという。そのためにも、1区がカギになると位置づけている。「1区に誰が起用できるか。そこが上手く行けば、4区までは上手く流れる」と別府監督。出雲・全日本を欠場した箱根2年連続1区、鷲見知彦(3年)の復調に期待を寄せていた。

●日大
 全日本大学駅伝優勝の勢いは持続している。「32年遠ざかっている優勝が手が届く範囲になった」と小川監督。
 ただ、その姿勢に力みがない。スピード型だったチームから、長い距離にも進境を示し、それが結果に現れたことが自信になっているようだ。サイモン(2年)も駅伝への理解度が上がってきているという。

●中大
 出雲、全日本ともに2位。田幸監督は「他校が力を出し切っていなかった」としながらも、両大会とも区間賞なしでの2位という点が、何かしらのヒントとなっているようだ。
 上野裕一郎(2年)が右足中指の腱鞘炎で、国際千葉駅伝の3日前から1週間ほど練習が中断したが、すでにポイント練習ができるまでに回復。1年前も12月に入って故障者が続いたが、1区を予定していた山本亮以外は、故障を克服してスタートラインに立った。
 エースの高橋憲昭、山下りの野村俊輔と強力な最上級生がいた前回よりも「今年のチームの方が力は上」だと田幸監督は強調する。「中大である以上、総合優勝にこだわりたい」と力を込めた。

●東海大
 総合優勝への意欲を、ユーモアも織りまぜながら示したのが東海大の大崎栄コーチだった。
「関東インカレ、日本インカレ、出雲駅伝、全日本大学駅伝と勝っていますが、足りないものが1つある。それを目指して行きます」
「5区が長くなって、他の大学は難しくなったと思いますが、ウチにとっては長くなってもらってよかった」
 こういった優勝への意欲の、裏付けとなっている部分も聞き逃してはいけない。
「私が来て4年目。4年生が十分な走り込みをして、距離を踏めている。戦える戦力になった。その中で、伊達(秀晃・2年)と佐藤(悠基・1年)がインカレなどで結果を出し、その2人が中心にやっていける」
「出雲は狙って優勝できた。流れ的にも、どの区間でもウチの選手が主導権を握っていた。選手も自信を持つことができた」
 言葉の端々に、自信が滲み出ていた。


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