2003/12/5 福岡国際マラソン
初の3カ月間隔のマラソン出場にも、静かに燃える尾方
「高岡さんに勝てば代表になれる。わかりやすい基準です」


 尾方剛(中国電力)が世界選手権から3カ月のインターバルでマラソンに挑戦する。練習期間ということで言えば、本人も言うように「実質2カ月の準備」である。

「世界選手権のレースを改めて見て、力を出し切っていない、まだ力があるのに出せていなかったと思った。それが引っかかって、早いうちにマラソンに出たかったんです。(高岡と対決になるのは)前から聞いていた話。高岡さんに勝てばアテネの代表になれます。わかりやすい基準ですからね。単純に、勝てばいい」

 会見の尾方剛(中国電力)の雰囲気が、前回とはちょっと違っていたようにも感じた。昨年と比べると、やや引いたところから自分を見つめているような雰囲気があった。

「あまり実感がないというか、どうなるかわからない感じがします。あまり入れ込んだり気負ったりせず、いつも通りに行こうと。去年の福岡はかなり練習がやってこられて、すごく走れる感覚がありました。今回は夏場の練習はできていますが、(世界選手権をはさんだので)練習的にどうかわからない。ある程度は行ける感触もありますが」

 尾方は過去、7回のマラソンを経験しているが、最短でも6カ月のインターバルを取っている。長期的なスパンで見れば初めて経験することだけに、100%確かとは言えない部分もあるだろう。だが、不安があるというわけではない。

「疲れが取れた10月から練習を本格化させましたが、1回ガタッと休むのでなく、流れでやってきました。期間が短いので、できることは限られますけど。あと、疲れを残さないように気をつけました。スタミナ的にも練習はやれているので問題ないと思いますし、動き的にも世界選手権のときよりいいですね」

 行けると実感できたレースもあった。

「3週間前の中国実業団駅伝駅伝はマラソン練習中でしたが、ちょっと合わせただけで走れました。動きも変わって、これだったらマラソンも大丈夫だと思いました」

男子マラソン2003-04
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