2003/7/4 日本インカレ
男子400 m 予選編
世界選手権代表・佐藤が
45秒94の大会新
堀籠も46秒01の好タイム

陸上競技マガジンに日本インカレ初日全成績

 男子400 mが盛り上がった。世界選手権代表2人と45秒台選手が3人と役者が揃ったのが一番の要因。さらに、1日で予選・決勝と2ラウンドを行うことと、予選が1着+4だったことも、盛り上がりをサポートした一因だった(この2つは例年のことだが)。
 予選1組は世界選手権代表の山口有希(東海大2年)が46秒53で1着。昨年、1年生優勝を達成した選手でもある。ちなみに、前半200 mは22秒4の通過。
 2組は昨年の国体優勝者・伊藤友広(法大)が200 mをやはり22秒4で通過。トップでホームストレートに出てきたが、1つ外側(5レーン)の野田無我(中大)が追い上げる。そこを外側7レーンの北岡慶昭(東海大4年)がフィニッシュ前で2人をまとめて抜き去った。北岡は昨年の国体で伊藤に次いで2位だった選手。
 3組は45秒78の記録を持つ冨樫英雄(東海大4年)が46秒92でトップ。200 m通過は22秒2だった。このレースで冨樫の腕振りを見て、あることに気がついたが…。
 4組は日本選手権優勝者&世界選手権代表の佐藤光浩(仙台大院2年)が前半を22秒1で通過。しかし、300mでは堀籠佳宏(日体大専攻科1年)がトップ。佐藤が慌ててホームストレートも全開気味に頑張って、堀籠をかわして1位。佐藤は45秒94と、渡辺高博(当時早大)の大会記録45秒99を11年ぶりに更新した。堀籠が飛ばしたことと、1着取りだったことが重なって出た大会新と言っていいだろう。
 2位の堀籠も46秒01と、自己記録を0.14秒更新。学生歴代では15位。つまり、過去14人の学生45秒ランナーがいたが、日本インカレで出したのは渡辺1人だけだったということになる。

予選後の佐藤コメント
「300mで前に2人いて、ビックリして出しました。今は日本選手権と世界選手権の間で、調子の波を下げている状態。これから徐々に上げていくところで、今回の目標は順位ではなく、45秒台を出しておくことでした。2本45秒台で走ってしまうとダメージが大きすぎると思いますし、調子が早く上向きすぎてしまうと思うんです。これから先生と相談して決めますが、決勝は走らないかもしれません」

 佐藤は今季、走り方を変更している。「昨年までは200 mの通過が21秒6〜21秒8だったものを、今年から21秒9〜22秒2にしている」と言うのだ。前半、力を使わず、それでいてそこそこのスピードはキープしようという狙い。バックストレートの風にも左右されることだが、21秒台なら前半でそれほど遅れることはない。300mまでのカーブを上手く走れば(ここも、それほど使わずに)、ラスト100 mで十分勝負はできる。
 単に前後半のタイム差を調整しただけでなく、技術的にも変更した点があるのだろう。そのあたりはいずれ、詳しく取材できればと思っている。

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