2002/9/28 全日本実業団1日目
200 mの同学年コンビが明暗
田端は自己新V、小坂田は故障棄権

記録はJAIC

 日本インカレの初日、スーパー陸上に続き、この日も雨とあいにくの天候。“新”記録は女子ハンマー投・綾真澄(グローバリー)とジュニア女子3000mの橋本歩(三井住友海上)の2種目のみ。女子1万mで自己記録を大幅に更新して優勝した羽鳥智子(第一生命)と、自己記録に迫るタイムで復調Vを遂げた藤原夕規子(グローバリー)が目立ったが、全般には低調。しかし、出産によるブランクから復帰した小坂田美恵(旧姓・鈴木、チムニー大宮)など、“久しぶりの全国優勝”は多く、話題的には豊富だった。

全種目一口メモ
<男子編>
■200 m
 快調に飛ばしていた小坂田淳(大阪ガス)がコーナーの出口で突然、倒れ込んだ。左大腿部のケイレンで、担架で医務室に運ばれた。「今日一日様子を見て、検査するかどうか判断をする」と、樋元四郎マネジャー。レースは田端健児(ミズノ)が終盤に強さを見せて21秒16(−0.2)の自己新で優勝。200 mでは全国大会初優勝。
 この種目の予選は7組あって1着プラス1が通過条件。5組の小坂田が21秒16(−0.3)で予選全体でもトップ。小坂田に次いで2位が田端で、「プラス1」で決勝に進んでいた
■1500m
 アジア大会代表の徳本一善(日清食品)が残り500mあたりで前に(ロングスパート気味)。しかし、やや強烈さに欠けたこともあり、最後の直線で辻隼(ヤクルト)が逆転。3分48秒71とタイム的には今ひとつだったが、徳本・小林史和(NTN)のアジア大会代表コンビを抑えた。全日中と日本ジュニア選手権で全国タイトルは獲得してきた辻だが、実業団入りしてからは初のタイトル(入社3年目)。同期の佐藤清治(順大3年)に、「早く戻ってきて勝負をしたい」とエールを送った
■1万m
 岩佐敏弘(大塚製薬)が何回か仕掛け、逃げ切るかと思われたが、最後の直線で新人のカビル(ホンダ)にかわされた。28分11秒42と28分11秒84。敗れたとはいえ、アジア大会に向けて期待を感じさせる岩佐の走りだった。3位の尾方剛(中国電力)も28分13秒26と大幅に自己記録更新
■400 mH
 河村英昭(スズキ)が2年ぶり4回目のタイトル。スズキに移籍してからは初めて。2位に順大の後輩、千葉佳裕(富士通)が入った。為末大(大阪ガス)と吉沢賢(デサントTC)のアジア大会代表2人は出場せず
■3000mSC
 中国電力のベテラン内冨恭則と、若手の井中将貴の争いとなったが、内冨が0.40秒競り勝った。3年連続6回目の優勝。8月に故障で練習を中断した影響か、タイムは8分50秒31と今ひとつ
■1万mW
 アジア選手権銀メダル(20kmW)の藤野原稔人(三栄管理興業)がスタートから独歩に持ち込み、40分33秒63の自己新で2連勝。今村文男(富士通)と原義美(丸惣食品)のエドモントン世界選手権50kmW代表同士の争いは、先行した原を今村が終盤で逆転して2位に
■4×100 mR
 予選を走り終えた段階で小島茂之が脚に不安を訴え、富士通は田野中輔・伊藤辰哉・藤本俊之・河邊崇雄のオーダー。4走の河邊が追いすがるスズキ・河村英昭を突き放し、追い上げてきた大阪ガス・朝原宣治を振り切って2連勝を達成
■走高跳
 野村智宏(堀越高教)が2m15と、2位に10cmもの大差をつけて優勝。96アトランタ五輪代表の野村だが、全日本実業団は西濃運輸時代も含めて初優勝。90年アジア大会代表の海鋒佳輝(関商工高教)が今大会で引退という情報もあったが、どうやらもう1年は続ける模様
■棒高跳
 過去4年間、安田覚(桑名高教)−小林史明(ミキハウス)−安田−小林と、日体大OBコンビが交互にタイトルを取り合っている男子棒高跳。今回は順番通り、安田が5m20で3回目の優勝。小林は欠場。この2人、ともに三重県出身でもある
■走幅跳
 記録は7m50(−0.5)とパッとしなかったが、不調に苦しんでいた田川茂(ミズノ)が優勝。ミズノの8mジャンパー・コンビうのもう1人、渡辺大輔は16位で、こちらは不調を脱し切れていない
■円盤投
 畑山茂雄(ゼンリン)が5投目の53m49で3連勝。全ての有効試技で2位記録を上回る快勝。雨の中でも、記録低下を最低限に抑えた
■やり投
 新人の村上幸史(スズキ)が3投目の71m26で優勝。後半3回は今季のこれまでの試合と同様にパス
■ジュニア1500m
 大牟田高から入社1年目の村上孝一(九電工)が3分58秒91で優勝

女子編

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