2001/2/3
別大マラソン前日コメント
招待選手一覧と、各選手ひとくち紹介はこちら。「スポーツ・ヤァ!011号」別大マラソン展望記事もご覧ください(発売中!)

注目3選手最新情報
「練習を2カ月に短くした」(川嶋伸次)
「岩佐は犬伏とは異なる練習」(河野監督・大塚製薬)
「アトランタ五輪後はモネゲッティと練習」(実井謙二郎)


注目発言続出、川嶋伸次の複雑な心境
 注目発言が飛び交った別大マラソン前日の開会式&記者会見。なかでも、シドニー五輪代表で、マラソン復帰の先陣を切る川嶋伸次(旭化成)の発言が興味深かった。
「通常、3カ月でやるマラソン練習を、2カ月で集中してやった。目標は10分を切って日本人トップになること」(ここまでは共同会見)
(以下は何人かの記者で囲んだ際のコメント)
「初めて自分の考えで練習を行なった。怖いところもあるが、一度はやってみたかった。普通、最後の40km走はレースの1カ月前だが、今回はちょうど10日前にもやった。これまで40km走を8回やっていたが、5〜6回目に脚が軽くていいタイムで走れることが多かったから。
 旭化成の場合、同じ時期にマラソンを目指す選手が一緒になって練習でも走るが、今回は自分1人で走った。みんなでやると楽だけど。自分の感覚だけでやらせてもらった。元旦の駅伝も8位で時代の流れを感じた。何かをかえなきゃいけないと感じている。自分たちがトップだという意識も含めて。
 オリンピックは選考会に自分の力で勝って、オリンピックも自分のために走るものと思っていたが、終わってみたら自分よりも周りの人のためだった。オリンピックに出ましたと、堂々と言えないところがあり、オリンピックの話になるとそらせてしまうこともある。
 陸上とは違う生活に入りたい複雑な心境になったが、陸上しかない。練習で走れればまだ何年もできると思うし、走れなければ明日やめようかとも思う。現時点で、明日のマラソンで終わりとは言えない。世界選手権がそれほど頭にあるわけではないが、出るからには狙わないといけない。複雑です」


岩佐の練習はどこが犬伏と違ったのか?
 先週、渋井陽子(三井海上)が初マラソン世界最高で大阪国際女子マラソンを制したが、大塚製薬・河野匡監督の以下のコメントからもわかるように、男女を同じ感覚で期待するのはナンセンスである。
河野匡監督のコメント
「40km走は2回だけ。1回目は2時間13分くらいで、ちょっと速過ぎたかもしれない。マラソンのための40km走は初めてで、抑えてやっているのか、疲れは残ったのか、わかりにくいところ。一番の取り柄は元気なところ。翌日の朝練でも午前練でも、筋肉的にも内蔵的にも疲労が感じられなかった。
 犬伏孝行の距離走が、スピードを抑えて我慢して行うのに対し、岩佐の場合、その枠組みをまだ決めていない状態。ペースを指示せず、気ままにやらせてみた。決めてみても本人が破ってしまう。距離走でも、インターバルでもそう。
 今回、成功するか失敗するかで、次のマラソンへの尺度になる。初マラソンで成功するかしないかは、そんなに重要ではない。
 マラソン・デビューを決めたのは去年の11月末くらい。なかなか本人がウンと言わなかった。最後は『トラック選手としてマラソンに出ます』と言って納得した。本人は犬伏の練習を身近に見ている。間の日をどうするかを考えたと思う。それをどうレースに出せるか。
 ある意味、犬伏にはないワクワクするような練習ができた。それがいいのか悪いのか…。短期的には、犬伏を上回る量をこなせた。今、やれる練習はできたと思う。
 もちろん、前半から先頭集団で行かせる。後ろから行くようなレースはしない。それが30kmまで行くのか、35km、までなのか、40kmなのか、ゴールなのか…。最悪、途中棄権も仕方がないと思っている。行けるところまでは攻めていく。ゴール後の第一声を聞いてみたい」


アトランタ五輪後の実井の変化とは?
「96年以前はメキシコで練習したが、96年以降はオーストラリアでモネゲッティと一緒に練習している。スピード的なものを取り入れて、『こんなやり方もあるんだな』と感じている。96年のオリンピック以後は、3回マラソンに出ているが、満足な結果は残せていない(2時間12分台、14分台、途中棄権)。しかし、97、98、99年とトラックの記録は伸びている。量は、年齢とともに落としてきている。自己ベストの8分台の次の記録が11分10秒。それはクリアしたい。おととい、早田(岐阜県出身同士。同学年)から電話があった」


すごい安定感の近藤と、すごいキャリアのベテランたち
 近藤重勝(エスビー食品)は、過去6回マラソンを走り、2時間14分15秒がベストで2時間15分47秒が最低記録。その差1分32秒というすさまじい安定度を誇っている。といっても、気象条件・コース条件が異なるわけだから、必ずしも本当の調子が一定していたわけではないが。ともかく、本人は今回、この殻を破ろうとかなり意気込んでいる。
 さらにすさまじいのは、徳永大輔(カネボウ)、小倉幸康(カネボウ)、倉林俊彰(YKK)のマラソン・キャリアだ。今回で徳永が26回目、小倉が17回目、倉林が15回目だという。3人とも、レース前日だが実にリラックスした表情だった。
 招待選手のうち、カネボウの澁谷明憲と西鉄の柳橋友治の欠場が発表された。