2001/7/12
サンモリッツ駅伝開催の提案
プレゼン用写真も多数掲載
ただし、頭の堅い人は読まないでください


 ティラノ(イタリア)からサンモリッツ(スイス)まで、車窓から景色を眺めながら電車の旅を楽しんでいたのが7月1日。サンモリッツで高地合宿中のカネボウ・入船敏、高岡寿成両選手を取材するのが、サンモリッツ行きの目的だった。その旅の最中、ふと「ここで日本の各チームによる駅伝を開催したら盛り上がるんじゃないか」との思いが、ひらめいた。
 きっかけは日記にも書いたが、ティラノ駅に箱根登山鉄道のプレートの飾ってあるのを見たことだ。駅伝を開催して盛り上がると判断した理由を列記すると、以下のようになる。
1)61kmの距離で1346mの標高差
2)とにかく景観が素晴らしい
3)駅伝ができる道路がちゃんとある
4)道路に沿って鉄道があり、応援するファンが移動できる
5)宿泊施設が沿道に何カ所もある
6)携帯電話が使用できる


 上記の要素がどうして駅伝に適しているのか、具体的に説明すると以下のようになる。
1)箱根駅伝ので使う国道1号線の標高最高到達点が、確か950mくらい。15kmの距離でこの標高差を登ることになる。ティラノ−サンモリッツ間は上記のように61kmの距離で1346mの標高差なら、勾配は箱根駅伝の上りの5区、下りの6区より緩やかで、走れない傾斜ではない。
 往路、復路とも上りか下りなので、箱根駅伝の5・6区のように、記録的にレベルが低い選手でも走り方次第では、トラックの記録の上位選手に勝つことができる。また、トラックの記録が悪い選手ばかりが参加しても、そのことが問題とされない(たぶん)。それに、この上り下りだけの駅伝をうまく利用すれば、強化に役立てることも可能。
2)駅伝が盛り上がる要素の1つに、沿道の景色に特徴があること、が挙げられる。関東学連の駅伝が、大井埠頭周回駅伝や神宮外苑周回駅伝という形でも開催自体は可能なのに、大手町−箱根間で行われているのは、この理由による。沿道から応援しやすい、という要素もある。
 確かに、ヨーロッパ開催となったらそう簡単に応援に行くことはできないが、そこはやり方次第だろう。テレビ局が日本で大々的に放映し、応援ツアーも何千人という規模になれば、航空会社や旅行代理店も乗り気になるだろう。地元観光協会も、金満ジャパニーズが大挙して訪れるとなれば、ホクホク顔で協力してくれるはず。往復航空券+3泊で10万円以下に抑えられるはずだ。10万円でひいきの選手の応援ができ、ヨーロッパ屈指の景観(谷間の白い家エメラルドグリーンの湖岩肌を流れ落ちる滝岩肌と雪雪のある峻厳な頂)が見られ、サンモリッツでは温泉に入ることもできる。悪い話ではないと思うが…。
3)ティラノ−サンモリッツ間には、それなりの幅員のある道路も通じている。15チームくらいなら中継も可能だし、テレビ中継車も余裕で先頭集団の撮影ができる。
4)箱根駅伝は東海道線などを使い、何カ所か選手の先回りをして応援ができることで、熱狂的なファンを獲得している。サンモリッツ−ティラノ間も紹介してきたように鉄道があり、駅伝にうまく合わせて運行すれば、何カ所かで観戦が可能になる。場所によっては道路と鉄道が並行しているので、車窓から応援ができる(登山鉄道なので、電車の速度は遅い)。
5)サンモリッツだけでなく、沿線の各駅周辺も観光地化(避暑地化?)されていて、宿泊施設は多そうだった。選手・チーム関係者はもちろん、応援団や一般ファンの受け入れも十分可能そうだった。
6)電車の中で携帯電話の電波状態をチェックしていたら、ほとんどの行程で使用できた。これが、この提案を思いつく決定打となったと言っていい。携帯電話が使用できなければ、コーチや選手が連絡を行う際、互いに電話のある場所にいて、外国語を使って相手を呼び出さなければならない。それではかなりのストレスとなり、競技に集中できない原因ともなる。
 選手には日本と同様の競技環境を提供する必要があり、その環境さえあれば、海外レースだと身構える必要もない。選手やコーチが、日本にいるときと同様に連絡が取れることは、開催にあたって現場の同意を得る上で重要なポイントだ。

 以上のような理由で、サンモリッツ駅伝の開催が可能だと思ったのだが、いかがだろうか。初期には計算できない問題も生じるだろうし、投資金額も馬鹿にならないだろうし、手間ひまがかかることだとは思う。しかし、ブームになれば、元は取れるはず。テレビ局を巻き込むこと、地元の協力を得ること、そしてそれ以前に、選手・関係者ら現場の賛同が必要なことであるが。
 開催時期としては、冬は雪があって無理だし、他の大会との兼ね合いから8月当たりが妥当だろう。どうだろうか、箱根駅伝に対抗して、○○学連でやってみては。